下記の狙いに基づいて研究プロジェクトがスタートいたしました。
1.研究課題
知を生む「場」のアーキテクチャに関する研究
2.研究目的
知識社会の現在、企業の組織の根底にネットワークやコラボレーションが置かれるようになりました。そこで「場(ba)」の重要性が増しています。場とは知識が創造・共有・活用・記憶される文脈・状況・脈絡・意味空間を意味し、そこでの当事者間の文脈共有が知識創造プロセスの基点となります。昨今注目されるイノベーティブな企業や組織体は、必ず知識創造に資する豊かな場を育んでいると言っても過言ではありません。しかし他方では、不確実性の高い時代の今日、企業には絶えざるイノベーションが求められるなか、多くの企業は思うように場の構築ができてないのが実情です。
本研究ではこのような問題認識に基づき、場を研究対象とし、知を生む場を生み出し活性化する、組織的アーキテクチャに着眼しました。場の理論的な研究も重視しつつ、知識創造の場のアーキテクチャ、その構成のための方法的可能性を明らかにすることを目指します。本研究成果が生かされることで自律的にイノベーションを起こせる企業が生まれることを期待するものです。
具体的には本研究の第一フェーズ(2009年10月~2010年3月)では、場についての知見を持った経営層の講義・ヒアリング、ワークショップ等の実験、フィールドワーク、定量調査等を実施し、それらをもとに場のアーキテクチャのモデル(コンセプト・プロトタイプ)を仮説、提言する計画です。